スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
-------- (--)  |  スポンサー広告

そうだ、アルハンブラに行こう(5)  アルカサーバ(要塞)


al_アルカサーバ


「アルハンブラ」と聞くと、日本人の多くは「宮殿」のことを思い浮かべるだろう。
ここが本来、イベリア半島全域を支配したイスラム教徒のムーア人によって築かれた
要塞(アルカサーバ)だったということを知らずに訪ねる人も多い。

ムーア人が肥沃な土地が広がるグラナダに入植を始めたのは8世紀。
イスラム化の進んだ北西アフリカからやってきたベルベル人や、アラブ人がイベリア
半島にどんどん定着し、彼らは原住民から「モロ」と呼ばれるようになった。


al_tores


以来、15世紀半ばまで700年以上も続いたムーア人のイスラム王朝によるスペイン支配。
そして、それを不服とするスペインのカトリック王国連合軍によるレコンキスタ
(再征服活動)がイベリア半島で繰り広げられることになった。

アンダルシアの主要都市であるコルドバ、セビリアが次々とキリスト教国軍によって
奪回されていった13世紀、グラナダはイベリア半島に残るイスラムの最後の砦となった。

そして、レコンキスタは、1492年のグラナダ王国の陥落をもって終わる。
そんなグラナダにおいて、アルハンブラはイスラム王国軍の最後の砦となった。


al_hills


寒風吹きすさぶ1月、無条件でアルハンブラをあけ渡すことになったグラナダ王国
最後のムーア人の王(ボブディアル)は、馬にまたがり、護衛の兵士たちに護られ
ながら荒野を一路南下した。カトリック王たちから与えられた新しい領地 ー 領地
とは名ばかりの荒涼とした山裾にある土地に向けて。

イスラムの騎兵たちは、勇猛さで武勇伝にことかくことがなかった。
この日も騎兵たちは鉄兜にターバンを巻き、腰に半月刀、手には長槍、よろいに
身を固め、その物々しい武者の出で立ちはかわることがなかった。
しかし、敗北を余儀なくされた王につき従う騎兵たちには、かつての武威をみじんも
感じることができなかった。


al_highest torres


アルハンブラを訪ねる人にすすめたい本がある。
ワシントン・アーヴィング (1783‐1859) の『アルハンブラ物語』だ。
紀行文の名作なので、すでに読まれた人も多いと思う。

私は高校時代に読んだ覚えがあったが、すっかり内容を忘れてしまっていたので、
日本旅行を計画していた知り合いに頼んで上下巻を買ってきてもらうことにした。


al_alctop


アーヴィングは19世紀にアメリカ公使館書記官としてスペインに赴任し、
アルハンブラに数ヶ月間滞在する幸運に恵まれた。アーヴィングが訪ねた頃の
アルハンブラは、18世紀に起きた王位継承戦争やナポレオン戦争で荒れ果てて
しまっていたが、そこにまつわる歴史や伝説にアーヴィングは深くひかれた。

レコンキスタの歴史をからめながら、アルハンブラで著者が経験した幻想的な
体験を織りまぜていきいきと書かれた随筆はとても詩情豊かだ。


al_highest torres2


読んでいるうちに、それぞれのエピソードに引き込まれ、華やかななりし時代の
アルハンブラに迷い込んだ気分になったり、イスラム王が去って朽ち果てたアル
ハンブラにあたかもタイムスリップしたような錯覚を覚えたり。

かと思えば、アーヴィングの語る美しいムーア人の姫の恋物語や、モーロの王が
魔法使いの力を借りてアルハンブラに隠した財宝をひょんことから見つけてしま
ったグラナダの庶民と、その財宝を護る役目を仰せつかったモーロ兵士の亡霊と
のかけひきの話に夢中になってしまったり。


al_chime


『アルハンブラ物語』を読んでここを訪ねると、本の中に出てきた塔や部屋が今も
そのまま残っていることに気がつく。娘の身の安全を思う父王の命によって塔に閉じ
こめられ、王に忠誠を誓う侍女によって育てられた美しい3人姉妹の往生たちが、
アルハンブラに捕虜としてとらわれていた敵方の騎士と恋に落ちるロマンあふれる
恋物語の伝説を持つ塔が現存しているし、アーヴィングがこの本を執筆した部屋も
残っている。

アーヴィングがグラナダを訪れた19世紀、アルハンブラはまだ世界に知る人も少な
かったが、この本の出版されるやいなや、アルハンブラの名は英語圏をはじめ、
西欧全域に広く知れ渡っていった。以来、アルハンブラをひとめ見たいという人たちが
世界各国から押し寄せて後を絶たない。


al_funagata


上の写真はアルカサーバ(要塞)の先端部分にあたる。
船のへ先のような形をしているアルカサーバは、アルハンブラ西端に位置し、街の
様子をしっかり監視することができる。写真をよ~く見ると、アルハンブラの建つ
丘がグラナダの街にせり出していることもよくわかる。

アルカサーバにある塔のてっぺんに登っていくと、グラナダに広がる広大な沃野は
もちろん、はるか北にはシエラ・ネバダ山脈の峰々(最高峰3,478.6m)を見渡す
ことができる。

イスラムのムーア人が去った後に残されたアルハンブラ。アンダルシアの風に吹かれ
ながら、ここで繰り広げられたムーア人王朝の栄華盛衰に思いをはせてみるのも悪く
ない。
                              (つづく)


~*~ ~*~ ~*~ ~*~ ~*~ ~*~ ~*~ ~*~ ~*~ ~*~ ~*~ ~*~ ~*~ ~*
P.S.
「chocolata*さんの記事を読んでアルハンブラに行きたくなりました」とか、
「写真がきれいで見とれました」なんてうれしいコメントをたくさんいただいて、
とてもうれしく思っています

アーヴィングの本を読んで気合いを入れて訪ねたアルハンブラでは、見るものすべてが
本の中から抜け出してきたように感じられたりして、初めて訪ねたのに初めてじゃない
ような気が何度もしました。アルハンブラの話は、あともう1~2回シリーズでお届け
したいと思っていますが、ちょっと忙しくなってきたので、ゆっくりアップしていこう
と思っています。

今日の記事を楽しんでいただけたら、下のバナーを1つずつクリックして応援
してくださいね! クリックしてもらうとブログの順位がアップして、続きを
書く励みになりますので。どうぞよろしくお願いします^^

   ↓       ↓
にほんブログ村 料理ブログ おうちカフェへ  にほんブログ村 海外生活ブログ スペイン情報へ

      
      皆さんからのコメントをいつも楽しく読ませていただいています。
      初めての方もどうか気軽にコメントを残してくださいね。
      ブログをお持ちの方にはそちらに伺って、お持ちでない方にはこちらで
      お返事をさしあげておしゃべりできたらと思っています 
                                ↓
2009-01-16 (Fri)  |  スペイン  |  トラックバック(0)  |  コメント(6)

Comment

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
 |  2009.01.16(金) 08:37 |  |  【編集】

No title

こうやって歴史的背景を知りながら
写真をみてゆくと感慨深いねー。

しかし、日本はスクラッブ&ビルドの
考えだから、こうやって昔に思いをはせて
見るものか少なくなったなぁ~。

外国は、きっちり大切にしている。
いいもん見た!!

リンクもらっていっきまーす
モニ |  2009.01.16(金) 16:01 | URL |  【編集】

No title

行く機会があるだろうかと考えてしまう土地だけど
こうしてここで見せてもらえた事が何かの因を含んでる気がするな~
きっと縁があるんだと思える
行って見たい場所が増えました^^おうえん♪
ほ助 |  2009.01.16(金) 16:51 | URL |  【編集】

No title

chocolata*さん、こんばんは☆
心がスカっとする風景が広がってますね。
乾いた丘の上の要塞って感じがよく出てますよね。
今日は大忙しの取り込み中なので、応援だけでごめんね~☆★
panipopo |  2009.01.16(金) 18:21 | URL |  【編集】

No title

う~~~~ん。
すごい!!
もう、すごいとしか言いようが無い( ̄ω ̄;)

でもこれ要塞???
要塞ですって??(`ロ´;)
宮殿なのかと思っていました・・・。びっくりです!
でもね、最初に見たときに、なぜだか自分が時を越えてタイムスリップした錯覚をおぼえました。

もしかして前世で・・・??
な~~~んて冗談半分に思いながら読んでたら、やっぱりchocolata*さんも??
もうね、この写真に写ってるものが全てなまなましくて、そんな錯覚に陥ってしまいましたよ。

このシリーズ、かなり楽しみにしています♪
またぜひ見せて下さい♪
もちろん、毎回応援させてもらってます゚・:,。☆(*'ー')いつもありがと~~♪
りいこ |  2009.01.16(金) 23:16 | URL |  【編集】

No title

昨日 地図をみていました。 アルハンブラ スペイン。
行ってみたいなぁと。   目の前にひろがる大きなものをみたらいろいろなことがリセットして考えられるかも。と。。。
 来年夏、 行きます。  
なー研究員* |  2009.01.17(土) 11:11 | URL |  【編集】

コメントを投稿する

Url
Comment
Pass  編集・削除するのに必要
Secret  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://foodiescafe.blog77.fc2.com/tb.php/51-a4c0ad59

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | HOME | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。