アキレス腱の治療法と私の夢

待ちに待った診察の日がやってきました。

4週間もつけっぱなしのギブスをとって、足首の角度をバレリーナ状態から
ちょっと上向きにかえて(つながりかけてるアキレス腱を伸ばして)
ギブスをまき直してもらう日です。

日本の設備の整った病院なら、ここでMRIスキャンを使って腱の再生具合を
チェックしてくれるところですが、医療費削減予算で運営されてる国保の病院では、
高価な検査はよっぽどのことがないとやってくれません。


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[なぜか本文とは無関係な写真の登場!]



アキレス腱が断裂しているか(修復し始めたか)どうかをタダで調べられる
検査に「トンプソンテスト」というのがあります。

うつ向きに寝て足先をベッドのはしから出した格好、あるいはけがした足の
ひざから下をイスにのせて片足立ちをした状態で、ふくらはぎの下の部分を左右から
手でぎゅーっとつかみます。断裂していない場合は(断裂後に修復が始まっている場合は)
この時、つかんだふくらはぎの筋肉にアキレス腱がひっぱられて足指が動きますが、
切れていると反応がありません。

お見舞いに来てくれた友だちにトンプソンテストの話をしたら、みんな面白がって
自分の足で試してましたが、自分の体がどんな風に他の部分とつながっているのかって
いうことがわかって興味深そうにしてました。

ここのところアキレス腱の断裂治療について調べたり、同じけがをしてしまった
日本人や英語圏の人とネットでやりとりをしているのですが、
アキレス腱断裂なのに肉離れと誤診されか人がわりといて、驚きました。

超音波でアキレス腱の映像をとることは可能ですが、一番確実なのはMRIです。
レントゲンにはうつらないので役に立ちません。
アキレス腱は完全に断裂していても、歩くことはできます。
「つま先で地面をける」ことはできませんが、べた足で移動は可能です。
断裂した瞬間に痛みはありますが、その後は痛みをまったく感じないケースも多いです。

けがした本人はアキレス腱が簡単にきれるとは思ってないし(思いたくないし)
歩けるから大丈夫と数日放置してしまうことも。

受傷後すぐに病院に行った場合でも、経験の少ない医師に運悪くあたった場合、
上に書いたような誤診をされて、1週間たっても歩けないので別の病院に行ってみたら
「断裂してます」と診断されるケースも。


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私の場合は、ジャンプした瞬間に足首後部をけられたような感触があり、
同時に「バチッ」というか「バシッ」という断裂音が聞こえ、
5メートルくらい離れている人にも聞こえました。
バドミントンでアキレス腱をきった知人が、似たような話を教えてくれたのを
覚えていたので、音を聞いた瞬間、これは間違いなくアキレス腱がきれたと思いました。

こんなけがはしたにこしたことはないけれど、アキレス腱断裂の典型的な状況について
知識があると、誰か知ってる人がケガをしてしまった時にも役に立つと思います。

参考までに、アキレス腱を痛めた時の応急処置方法をまとめておきますね。

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アキレス腱の応急処置

1.けがした足を地面につけないこと
2.うつむけに寝るかひざをたててすわり、足首をバレリーナ状態にする
  (断裂した両端が離れないようにするため)
3.救急処置としては、足首が動かないよう添え木を向こうずね側にあてて包帯で巻きます
  自分や回りの人にファーストエイドの知識や道具がない場合は、救急車を呼びます
4.固定したら、アイスパックなどで患部を冷やします
5.固定した状態で病院へ。

医師がトンプソンテストをしない場合は、してくれるよう申し出ましょう。
応急処置中に体温を奪われないよう、マットでも何でも敷けるものがあれば体の下に敷き、
毛布や服などで体をおおうことも忘れずに!

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病院でアキレス腱断裂と診断された場合、治療法は2種類あります。

A.手術療法(断裂したアキレス腱の両端を縫ってつける)
B.保存療法(手術をせず、ギブスや装具で足首を固定し、自然治癒力で治す)

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近年の研究結果では、どちらの方法でも同じような治癒結果が得られるということが
わかってきています。私は保存療法しか選択肢がない病院にかかったわけですが、
選択肢があったとしても保存療法を選びました。

傷跡が残らないというのもありますが、手術には麻酔や傷口の癒着、感染などの
問題があります。

早期に、プロレベルのスポーツに復帰するには手術しか方法がないと主張する
声もありますが、カナダで行われた研究では、手術でも保存療法でも、同じように
早期リハビリ、受傷した足への早期荷重を組み合わせた治療法をとれば、
同じ治療結果が得られることを証明した研究報告が出ています。
日本の大学病院でも、同じような保存療法で成果をあげている病院がいくつかありますし。


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けがをした直後は、本人が気づいている以上にけがからくる体のストレスと
精神的なショックで参っているので、どちらの治療方法をとりたいか
自分で決めるのはたいへんなことです。

病院によっては、各治療法のメリット、デメリットを説明して患者に選択肢を示して
くれるところがある一方、手術しかしない病院もあります。

手術をしたくないのに、手術を医師に勧められた場合は、
セカンド・オピニオンを求めた方がいいと思います。

断裂の位置などによっては、自然治癒が難しい場合もあるようですが、
自分の大切な体のことですから、納得した上で治療法を選ぶようにしないといけません。

けが当日は気が動転していますし、仕事のことをどうしようとか、
家族や家のこともあれこれ気になって、落ち着いて考えることができません。

そういう時は、1-2日とって考えてみるという選択肢も可能です。
どちらの治療法をとったにしても、できるだけ早く処置をした方がいいのですが、
きちんと固定さえしてあれば、数日たってからでも問題なく治癒するという
臨床研究結果が出ています。

私は医師でも何でもないので、ここに書いてることは、私が読んだ医学ジャーナルや、
同じけがの治療を受けている知り合いからの話がベースなので、
あくまでも参考にしかなりませんが、いつか、万一の時に、
「そういえば・・・」って、思い出してもらうことがあればと思い、長々と書きました。

読み始めて退屈しちゃった人は、ここまでたどりつく前にスルーしてくれたと
思いますので、ま、いいか!

**~*~**

bread



話は元に戻って、今回の私の通院結果ですが、
どうやらアキレス腱は少しずつつながり始めているようです。

MRI検査も医師による触診もなかったので、確固とした証拠はないのですが、
ギブスのまき直しの際にアキレス腱を伸ばす形で足首前面の角度を
160度くらい(バレリーナ状態)から120度くらいに変更した際に、
アキレス腱部分に「張り」があり、固定の際に痛みもあったので、これがアキレス腱が
つながり始めている証拠だと、ギブスの技師に言われました。

(こういう診断行為は医師がすべきなのに、どうなってるの~!)

   

早く両足を地面につけて歩けるようになりたいのに、これまで通り、あと2週間は
松葉杖2本と片足で歩く生活が続くことに。
もう、ふつ~の歩き方、忘れちゃいそうです(泣)

日本にいれば、早期荷重の治療方針をとっている病院を選んで通い、ギブスから
脱着可能な装具に変更して軽いリハビリを受けられるのに(医療費の3割負担はあるけれど)、
英国では国保の予算が第一で、お金のかかる治療法(装具使用や早期リハビリ)は
とってくれないのが常。医療費自己負担ゼロの国の「明」と「暗」。

また、どの国でも医師たちは忙しく、従来の治療方法の改善のために最近の研究結果を
調べて取り入れようなんて人は少数派なのかもしれません。
アキレス腱断裂は命にかかわるけがじゃありませんし、
どちらの治療法をとったとしても、1年ほどすれば普通に運動できるようになります。

治療やリハビリ期間の長さ、その間の Quality of Lifeと言った点では
最近の研究結果をとりれた保存治療が患者にとって最もよいけれど、
そうした治療を実践している病院は日本でもまだ多くはないように見受けられます。


bread_salad



というわけで、いましばらくは片足歩行のchocolata*ですが、
目下の夢をまとめてみました♪

1.カプチーノをいれたカップを手に持ってキッチンからリビングへ運んで飲む!
2.ギブスから装具になったら、6週間ぶりにけがした方の足を洗う(笑)


はやく実現しますよ~に! 



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2010-03-14 (Sun)  |  英国  |  トラックバック(0)  |  コメント(1)

Comment

ああ聞いたことあるっ。アキレス腱って切れた
瞬間に「ぱちっ」て音がするから絶対わかるって!!5
メートル以上も離れている人にもわかった
ってことは、かなりの衝撃だったんだねぇ。
なんかアキレス腱が痛くなってきた(笑)

医療費自己負担ゼロの国の「明」と「暗」。
日本にいたらわからないことだね
単に医療費が無料という側面だけで
いいなって思ってたもん。
英国はなんたって「ゆりかごから墓場まで」
って保証されていると昔は教わっていたから。。

はやくなおるといいねーっ・イメージトレーニングしておくんだよ。歩く!!

モニ |  2010.03.15(月) 23:28 | URL |  【編集】

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