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恩師と夕飯

「そのうち、一緒に晩ご飯を食べましょうね。」

この6月、3年ぶりにお会いした大学の恩師(K先生)から、うれしいお誘いを受けた。

卒業してからも、留学で海外に出てからも、
人生の荒波にもまれてフラフラしていた時も、
いつも変わらぬ穏やかさで、「そこ」にいてくださったK先生。


flower1


それから1週間ほどたった日、K先生からメールが届き、
「久々の日本だから、和食がいいと思っているんだけど」とお声がかかった。


落ち合ったのは母校の正門前。
地下鉄を降りて地上に上がると、なつかしい通学路が目の前に。

道沿いには新しい建物や店も増えたけど、
あの頃行きつけだった店のいくつかは、同じ場所で営業していて
学生時代のあれこれをなつかしく思い出させてくれた。


flower2



K先生との待ち合わせの時間までまだ半時間ほどあったので
なつかしのキャンパスをちょっと歩いてみることにした。

K先生をはじめ、恩師の半分以上はすでに退官されてるから、
ばったりどなたかにお会いできるチャンスは低いだろうな~と思っていたのに、
この日は運がついていた!

夕方6時すぎと遅い時間だったにもかかわらず、A先生とばったり。
A先生はイギリス文学がご専門で、在学当時、私は18~19世紀の
英文学作品ついて学ぶA先生のコースを受講したことがある。

社会人を経験した学生が多いコースで、自分で学費を払ってる学生は
熱心で教えがいがあるとA先生は言われていたが、
イギリス文学がどれだけ面白いか、自分が研究していることを授業で
とりあげて学生とシェアできることがうれしくてたまらないという、
A先生の話しっぶりが印象的なクラスだった!


flower4



10数年ぶりにお会いしたA先生は、10数年分ほどお年を召しておられ、
私も同じ年数を重ねていることにあらためて気がついた。
そんな時の経過もなんのその、恩師というのはありがたいもので、
会えばまた時があの日に戻っていくような親しさで話しかけてくださり、
それがとてもうれしい初夏の夕だった。

研究室で座ってゆっくりとすすめてくださるA先生に、
「これから待ち合わせがあるので、アポをとってからまた伺います」
と約束して別れた。



flower3


K先生との待ち合わせの時刻がせまっていたので、早足で大学の正門へ向かった。

すると、小柄なK先生が先に着いて私を待っててくださった。
約束の時刻前とはいえ、恩師を待たせるとは、何たるていたらく!

私の両手をとって、「よくきてくださったわね~」と、心の底から
再会を喜んでくださる先生の笑顔に心があたたかくなってきた。


K先生が予約してくださっていた和食のお店は大学のすぐそばにあり、
趣のある日本庭園に面した席に案内された。


dish1


せっかくだから、違うコース料理を注文して、いろんな料理をシェアしましょう、
という話になり、私は魚介類の多いコースを注文。
小食のK先生は量は少なめだけど、珍味がたくさんのコースを選ばれた。

次々と運ばれてくる美しいお料理の数々にため息をついては喜びはしゃぐ私に、
「ほら、これも一口召し上がって」、
「これも珍しいでしょう?」と
ご自分のお皿の料理をすすめてくださった。


dish2


K先生は、1960年代にアメリカへ大学院留学されたことがある。
日本円が弱い時代だったから、K先生もベビーシッターやいろんなバイトをして
生活費を稼がれたそうだ。

そんなご自身の経験があったからだろう、私の英国留学が決まったとき、
アメリカでの失敗談や異文化の中での生活に伴う苦労話をいろいろ
いつもの穏やかで明るい口調で聞かせてくださった。

恩師の失敗談を聞いてゲラゲラと笑い出すなんて、失礼この上ない話だけれど、
K先生はまるで女学生どうしがしゃべっているかのような親しさで話を続けられたっけ。


dish2



この留学をきっかけに、私はしばらく海外で生活することになった。
そして、夏に日本へ戻ってきたのは10数年ぶりになる。
だから、K先生と夏にお会いできたのも10数年ぶり。

K先生にとって、夏といえば「枝豆」らしく、
ゆでるのがお得意だという話を初めて耳にした。
ゆで加減のこだわりの話や、K先生が子どもの頃に好きだった食べ物の話など、
いろんな話題でこの日も時間が飛ぶようにすぎていった。


私たちのテーブルに運ばれてきたデザートの美しさにまたため息をついてると、
K先生が 「ほら、これもどうぞ!」と、ご自分のデザートをすすめてくださった。


dish5


遠慮もせずに、「では喜んで」と分けていただいたら、
抹茶と小豆の香りが口の中に広がって、とってもおいしかった。
あー、日本っていいなぁ~。つくづくそう思った。


この日、結局、先生のお料理の3分の1ちかくをいただいてしまったような気がするけれど、
食べっぷりのいい私をK先生は穏やかに微笑んで見ていらした。


今度、K先生にお会いできるのは、たぶん夏の終わりごろになると思う。
うちに遊びに来ていただいて、旦那の手料理を一緒に楽しんでいただけたらと
その日が来るのを楽しみにしている。




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2009-07-21 (Tue)  |  Japan  |  トラックバック(0)  |  コメント(13)

Comment

大学の先生とそんなに親しく付き合ったことなんて一度もないな。シドニーの大学と日本の大学の違いなのかな?
そんな恩師がいるなんて羨ましいよ。
私には思い当たる先生なんていないから。
chocolataちゃんって、一番下の妹と同じくらいの年代かなと今逆計算して思ったよ。笑
かおり |  2009.07.21(火) 20:11 | URL |  【編集】

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 |  2009.07.21(火) 23:09 |  |  【編集】

私も先生と卒業してから会った経験ないや!!
恩師はいなかった気もする。
chocolataちゃんって優秀な生徒さんだった
んだねー。きっと。

同窓会などで先生に会うと、学校にいる時
とちがって「人」として再会できるから
ちょっといい感じだよね!!
モニ |  2009.07.21(火) 23:18 | URL |  【編集】

あたたかい恩師との時間。
うらやましいほどに活気に満ちて。
ほんとうによい出会いをなさったのですね。
先生もきっと心からお喜びでしたでしょう。
chatnoirN |  2009.07.22(水) 00:58 | URL |  【編集】

かおりちゃんへ

かおりちゃんの一番下の妹さんと同い年くらいだと
いいんだけど、たぶん、かおりちゃんと同い年くら
いのような気がする!
短大を出て就職してそこそこ働いて、それから大学
に戻って勉強したから^^
社会人学生ブームの走りみたいなもんだったかな。
chocolata* |  2009.07.22(水) 01:35 | URL |  【編集】

モニちゃんへ

社会人をしてから自腹をきって学費を払ったもの
だから、「元をとってやる~!」って感じが強か
ったかな(笑)。同じような人がクラスに結構い
て、面白かったよ!

社会人の頃、いい意味でこきつかってくれる会
社で働いて、結構やりがいのある仕事をしてた
けど、ある日、教員免許をとりたくなって大学
に舞い戻ったの。3年編入だったから、2年間
で専門と教職をやるハードスケジュールだった
けど、まだ若かったし、やりたいことだったか
ら、まじめに大学に通ったよ!
仕事を経験すると、学生生活の大変さなんて
比べものにならないな~って感じだったかな。

chocolata* |  2009.07.22(水) 01:45 | URL |  【編集】

chatnoirNさんへ

波長のあう先生、あわない先生、学生とは一線を
画して個人的なことは一切話さないし耳を傾けない
先生など、いろんな先生がいらっしゃいましたが、
こうして今でもお会いできる先生がいてくださって
本当に幸せだと思っています。
人生の節々で、悲喜こもごもの思いをシェアして
くださる人の存在は、宝物ですから。
chocolata* |  2009.07.22(水) 01:51 | URL |  【編集】

ああ、いいわねえ・・・・心温まるお話をありがとう。
そうなのよね、なぜかあのときにタイムスリップしちゃうのよね。

私は、バイトバイトで勉強をじっくりできなかったから、本当はもっとしたかったなあって思ってるよ。

そうそう、今年はゼミ会の幹事だった!はやく計画しなくっちゃ!先生がお元気なうちに・・・
森の子 |  2009.07.22(水) 18:26 | URL |  【編集】

恩師の先生方との再会。。。素晴らしいね~!
それだけchocolata*ちゃんは研究生として学んだだけあって教官の覚えもいいんだろうなぁ。。。
私なんて、大学時代の教授の名前なんて覚えてないよ。。。^-^;
アメリカって学科ごとに違うし、専攻科目でも学年ごとに担当教授が代わってしまうから。

でも、こうやって一緒に和食を食べ、おしゃべりをして、そして素晴らしい時間を分かち合い。
きっとK先生もだんなさまのお料理には舌鼓を打ってくださることだろうね☆

ちゃんと画像も見えるようになった!どうしてだろう???
応援も☆☆
panipopo |  2009.07.22(水) 19:03 | URL |  【編集】

森の子ちゃんへ

ヨガ&セラピーの先生と一緒の旅のお話、
心あたたまりました~!
やさしいのよね、森の子ちゃんは^^

ゼミ会の集まり、幹事さんで大変だけど、
楽しんで企画してね♪
chocolata* |  2009.07.22(水) 23:07 | URL |  【編集】

panipopoちゃんへ

よかった~!画像ががちゃんと見られるようになって♪
頭をひねってみたものの、何が原因がわからず、
悲しいな~って思ってたの。だから、ほんとうれしい!

たしかに、国によっても先生と学生の関係って微妙に違うよね。
学生数にもよると思うけど、アメリカは先生がフレンドリーって
印象なんだけど、どうなんだろう??
ブリテンの大学は先生と学生が個人として向き合うって感じで、
私は好きだったかな。昔と違って、先生の名前を呼ぶのも
ファーストネームがふつうになってるし、まず人間があって
その次に先生って役柄があるって感じ。

日本に戻ってきてブリテンの先生の話をするとき、ついつい先生の名前を
ファーストネームで呼びそうになるんだけど、
日本語では「先生」って最後につけないと失礼な感じに響いてしまうから、
結構気を遣ったりしてるかな。

でもね、「~先生」って呼んだとたん(たとえば、「トム先生」とかね)、
先生との気持ち的な距離がぐーっと広がるような感じが急にするというか、
私の知ってるトムの人柄や、トムへの自分の思い入れがそのまま表せないというか・・

やっぱり、これって日本語や日本文化特有の人との距離感とうか、
上下関係や年齢を常に意識した言葉使いの慣習に見事にはまった例かもね。

なんだか長くなったけど、久々に日本に戻るとこういうことを
panipopoちゃんも感じるよね??
chocolata* |  2009.07.22(水) 23:29 | URL |  【編集】

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
 |  2009.07.23(木) 00:41 |  |  【編集】

カギコメのモニちゃんへ

サフラン、無事に届いて良かった~!
日本の郵便局は優秀だから、紛失とか気にしなくていいんだけど、
そうじゃないとこに長くいたから、ついつい(^^;)

サフランを使ったモニ飯、楽しみにしてるね!
chocolata* |  2009.07.23(木) 09:44 | URL |  【編集】

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